妻は高校英語教師。

高校英語教師として働く妻の日常を書きます。

生徒との電話。

先週末、家族で近くの百貨店へ買い物へ行った。その帰り、妻のもとにクラスの生徒からメールが届く。

 

「今から先生に電話してもいい?」

「どうしたの? 別にいいけど?」

 

すぐに電話がかかってきた。私は車の助手席で話す妻の様子を聞いていた。

 

内容はともかくとして、生徒の話を聞いている妻の様子をうかがっていると、それはまさに生徒の母親そのものである。それも小言を一切言わない、どっしりと構えた、それでいて子供のことを全て受け止める寛容な、理想の母そのものである。

 

電話の向こうの生徒の声は聞こえてこないが、妻に対して全幅の信頼を寄せているのがわかる。

 

この時、やはりこの人に教師をやめさせてはならない、と強く思った。こういう先生が日の目を見る学校、ひいては社会にしてかねばならない、と強く思った。

 

ちなみに、実の子供たちにはどうか、というと、一般的な母親なんだと思われる。その時の電話のような口調で話すことは一切ないし、子供たちに八つ当たりすることもしばしばである。人間とは不思議なものである。