妻は高校英語教師。

高校英語教師として働く妻の日常を書きます。

今日はやたらといじめの記事が目立つ

今日は妻のことではなく自分の話。

 

今日は、特に学校でのいじめのニュース記事が目立つ。

宝塚であった中学2年生のいじめ自殺の件で、市の再調査委員会がいじめ25件を認めたとする報告書を提出したとのこと。

そんなニュースページを見ていると、以下のようなセンセーショナルなタイトルの本の広告にが出てきてショックを受けた。

ronso.co.jp

 

なんとも、ショッキングなタイトルで… 教師はまるで殺人者のような扱いのされかただ。

 

「いじめ」に関しては、自分も苦い経験がある。

昔、中学校の教員をしていた頃のこと。当時、中2の担任をしていた。中2から担任団に入ったので、生徒の人間関係とかもしっかりとは理解していなかったが、どうやら中1の時にひどいいじめ案件があって、そのことを考慮してクラス替えを行ったということであった。いじめている側といじめられている側が、別のクラスになった、ということで、自分の担任クラスにはいじめられている側の子がいた。

 

ところが、中1の時のいじめは、学年内でクラスをまたいで起こっており、別のクラスにもかなりその子がいじめられていることが認知されていたようだ。クラス替えをしたところで、その子がいじめられていることはすでに中2のクラスメートにも広く知れ渡っており、中2の新しいクラスでもいじめられるうようになってしまった。

 

ゴールデンウィーク明け頃に、いじめられている子は担任の私のところにやってきて、具体的に名前を挙げて、誰にどんなことをされたのか、詳細に教えてくれた。当然、名前の出てきた子たちを指導せねばならないのだが、中1の時のこともあるので、最初からガツンと指導するべきだと考え、保護者も交えて指導した。ところが、本人は「そんなことはしていない」と言う。それを聞いた保護者も、「うちの子の言うことを信じたい」となる。本人が認めない以上、学校としてはどうすることもできない。

 

いじめられている子の保護者に、「相手側はしていないと言ってます」と報告するしかないが、「うちの子がやられてないことをやられた、なんていうはずがない」となる。当然だ。

 

こうして教員は、双方の板挟み状態となり、事態がいっこうに前に進まなくなる。

 

これで済めばまだよいものの、いじめた側として複数の子の名前が挙がったが、全員が「していない」と言い張り、保護者も全員が「自分の子が正しい」となったものだから、いじめられた子の肩を持つ担任がおかしい、となった。

 

結局、いじめたとされる子たちは、それから数か月にわたって、私を無視する、という行動に出た。授業中であれ、なんであれ、こちらの呼びかけには完全無視を貫いた。これには私も参った。授業も成立しなくなってしまった。

 

そこからどうなって落ち着いていったのか、正直記憶がない。思い出したくもないので、きっと脳のどこかにその記憶を閉じ込めてしまったのだろう。

 

その子たちも無事卒業し、社会人となった時、当時主犯格とみられていた子がSNSを通じて連絡してきた。「あの時のことを話したい」と言ってきた。「一度学校に遊びにおいで。その時に話をしよう。」と返信したものの、それから5年、まだ遊びには来てくれていない。

 

自分の中では当時のいじめ問題はまだ解決していないまま。きっと墓場まで未解決のまま持っていくのでしょう。