妻は高校英語教師。

高校英語教師として働く妻の日常を書きます。

コロナ禍の学校現場 ⑥

普段、妻は学校での出来事をよく私に話してくれる。クラスの生徒のこと、同僚のこと、管理職のこと、授業のこと、とにかくよく学校の話をする。私に話すことで心のバランスをとっているのだと思う。

 

なので、私は結構なんでも妻の仕事のことは知っていると思っていたが、今回の件に関しては思い当たる節がない。そのような状況にまで追い込まれている生徒の話は聞いたことがなかったからだ。

 

とにかく妻は、その性格からして、自分の責任として事態を受け止め、自分を責めるはず。私は家族としてどのようにして妻をフォローしていけばいいのか、正直わからなかった。

 

その日の晩、車通勤だが私に迎えに来てほしいと妻から連絡があり、車で迎えに行った。自分では怖くて運転して帰れないほど、動揺していた。少し話を聞くと、我が家でも何度か話に出ていた生徒だった。私までもが胸が痛かった。我が子にこんなボロボロになった姿は見せられない、というので二人でコーヒーを飲んで、心を落ち着かせてから家に帰った。帰宅後、子供たちが寝静まるまで何事もなかったかのように振る舞う妻は強かった。

 

ただ、私と子供たちが寝室へ行ってからは、時々妻の嗚咽が聞こえた。その妻の泣く声が今も耳から離れない。